オルタナティブ投資入門―ヘッジファンドのすべて
『投資・今日の一冊』
オルタナティブ投資入門―ヘッジファンドのすべて
山内 英貴
おすすめ度: 
発売元: 東洋経済新報社
ヘッジファンド体系書
タイトルはオルタナティブと付いていますが、実際はヘッジファンドの
体系書でした。ヘッジファンドの体系と成り立ち(元々はインデックスを
アウトパフォームするために作られた。)や主要投資家から始まり、
各種ヘッジファンドのアービトラージ、リスク管理などが前半に述べら
れています。特にp136-147のアジア通貨危機、LTCM、ブリンストン債など
過去のヘッジファンドに関わる事件が面白かったです。
後半は実践編としてベータやシャープレシオなどヘッジファンドの評価法に
ついて書かれていますが、私には難しかったです。初めて本を手に取った
ときは世界のヘッジファンドの銘柄の説明が書いていることを期待して
いたのですが、どちらかと言うとヘッジファンドに関する学術書であり、
現存のファンドに関する具体的な評価は載っていませんでした。
投資に希望を抱ける労作
これはかなりの労作。職業としても、個人的資産運用としても、昔ながらの伝統的な手法に対するオルタナティブ投資はようやく始まったところだけど、この本はそれらの考え方の基礎となる部分を、全体的に網羅し、コンパクトに説明している。これを読めば、これまで難しかったいわば「近寄りがたいもの」を「どうにか手繰りよせる」希望が持てるだろう。投資家としても、金融のプロがこうした観点から日本における新しい投資の流れを作ろうと試行していることを思えば、投資商品に対する見方も変わってくるのではないかと思う。難易度はやや高いので寝転がっての斜め読みとはいかないが、基本的にはこの手の本の中では「とてもわかりやすい」本であることは間違いない。
ヘッジファンド実務の入門書
本書のテーマは、サブタイトルのようにヘッジファンドである。オルタナティブ投資に関する解説書は、翻訳本がいくつか出版されているが、どうしても欧米の読者を前提に書かれているために、制度・法制等日本の実情となじまない点も多く、違和感を感じていた。その点、本書は日本国内における実務を前提に書かれており、貴重である。解説が平易かつコンパクトに整理されていて比較的読みやすいこともあり、この分野の知識があまりない読者であっても、ヘッジファンドに関する知識を体系的に整理する上で、格好の一冊だろう。
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